PROJECT
STORIES
プロジェクトストーリーズ
HAPには全社が一体となって取り組むプロジェクトも。
その物語をお伝えします。

これがわたしのHOKKAIDO LOVE!祭
2022年11月26日(土)・27日(日)東京駅の近くであるイベントが開催された。コロナ禍で打撃を受けた北海道への誘客促進を目的として、航空路線のPRや北海道の魅⼒を発信する「これがわたしの HOKKAIDO LOVE! 祭(以下HL祭)」である。その後も毎年開催されているHL祭、その立ち上げから関わっているHAPの社員に、当時の想いや今後の展望を聞いた。
MEMBER

本社 営業開発本部
観光開発部 観光開発課
Sさん

帯広空港事業所
管理部 総務課
Nさん
道内7空港の自治体とHAPが一体となって
新たな誘客促進イベントが始動
2020年1月に国内で初めて確認された新型コロナウイルス感染症。瞬く間に猛威を振るい、人々の行動は大きく制限を受けた。都道府県をまたぐ移動にも自粛要請があり、旅行需要は激減した。2022年5月、3年ぶりに行動制限が解かれたが、航空需要の回復にはまだ時間がかかると思われた。そこで立ち上がったのが、道内7空港が所在する10の自治体(千歳市、苫⼩牧市、稚内市、釧路市、⽩糠町、函館市、旭川市、東神楽町、帯広市、⼤空町)である。7空港を運営するHAPと10市町による「北海道誘客促進実行委員会」が結成され、北海道からの補助金を活用して、初めての誘客促進イベントが企画された。当時、地域共生課に所属していたNさんが自治体とのやり取りを担当し、Sさんたち観光開発課がイベントの具体的な内容を詰めていった。「初めてのイベントだったので、何もかも手探りで作り上げていきました」とNさん。Sさんも「本当に手作りですね。ひたすら自分たちで手を動かしていました」と振り返る。


単発イベントで終わらせるのではなく
継続していくことが大事だという認識を共有
冒頭でも述べた第1回のHL祭は、東京駅八重洲口の「TOKYO TORCH Park」で開催された。「7空港やエリアごとのPRがテーマでした。お祭りみたいにブースを出展して、特大写真パネルで北海道の冬の魅力を訴求したり、道内のご当地キャラクターにもたくさん登場してもらったり」というSさんの言葉通り、会場は賑やかな雰囲気に包まれた。Nさんが「網走から毎日届く本物の流氷に触る体験や、北見のカーリング体験も好評でした。帯広のばんえい競馬のばん馬等身大バルーンも人気でしたね」と語るように、北海道の魅力を疑似体験できるHL祭は盛況となった。休日のビジネス街の屋外スペースという、決して人通りが多いとは言えない状況だったが、2日間で3,000名をはるかに超える来場者を数えた。実行委員会のメンバーは大きな手応えを感じた。単発で終わるのではなく、継続していくことが大事だという認識を共有した。「空港運営会社と自治体が一緒になってやるということにも大きな意味があると思いました」と2人も口を揃える。


トークショーやセレクトショップなど
会場コンテンツもどんどん充実
2023年の第2回HL祭は会場を横浜市の「MARK IS みなとみらい」に移し、会期も10月20日(金)〜22日(日)の3日間に増えた。この年の9月に世界的アドベンチャートラベルイベント「ATWS」が北海道で開催されたこともあり、北海道の自然・食・アクティビティをテーマに掲げた。そこでトークショーのゲストに招いたのが、キャンプイベント「ここキャン北海道」を主催するHTB(北海道テレビ)のディレクター、藤村忠寿氏と嬉野雅道氏である。「藤村さんと嬉野さんといえば、『水曜どうでしょう』で全国的な有名人ですから。どうでしょうのグッズやタオルを持参する来場者も多くて驚きました」とNさん。番組そのものの「ゆるい」雰囲気の中、北海道のあれこれをディープに話す「北海道キャンプ・サウナトークショー」は大好評で、両氏は2024年も引き続き登場することになる。また、HL祭限定で厳選された100種類以上ラインナップが並ぶセレクトショップも人気を集めた。さらにこの年からは、15ページほどのガイドブックも来場者に配布している。「私たちと当時在籍していた部署の先輩で企画し、7空港エリアの観光情報、道内各地のキャンプ場やサウナのおすすめスポットなどをまとめて、家に帰ってからも楽しんでいただけるようなものにできたと思います(Sさん)」。


初の関西圏での開催となった3回目は
エアラインも出展
そして2024年11月2日(土)・3日(日)の第3回HL祭は、関西圏での初開催となった。「関西圏で通年運航しているのは新千歳、函館、季節便は釧路、旭川、女満別です。新たな路線の開拓に繋げるためにも、関西の人たちに道内空港のアピールをしようと考えました」とNさん。会場となったのは、大阪駅近くの「うめきたSHIPホール」。前年までの人の流れがあるオープンな会場とは違い、屋内会場での開催となったため、HL祭を目的に訪れてもらう必要があり、集客には不安もあったという。「初日は大雨の荒天でどうなることかと心配しましたが、それでも2日間で2,000人以上にご来場いただけました」とSさん。また、3年目にして初のエアラインによるブース出展が実現した。「それまでも連携はしていたものの、実際にブース出展していただいたのは初めてで、さらなる北海道への誘客促進を図ることができました(Nさん)」。初年度から連携いただいている札幌市(丘珠空港)をはじめ、地域の様々な企業や団体にも協力いただきコンテンツに厚みを持たせてきた。人気の北海道物産コーナーやワークショップ、スタンプラリー抽選会など、それまでの経験を生かして磨き上げたコンテンツが盛りだくさんのHL祭の成果は、来場者アンケートに現れた。「このイベントを通じて北海道に行きたくなったかという質問に、なんと98.8%がはいと答えてくださって」と2人とも嬉しそうに語ってくれた。

将来的には海外での展開も見据えつつ
4回目の開催に向けた準備は進む
来場者アンケートや関係者の意見も取り入れながら、回を重ねるごとに成長を遂げてきたHL祭。2025年に予定されているのはどんな内容なのだろうか。Nさんによると、「今は意見やアンケートをまとめている段階で、次はどうしようという話し合いはこれからです」とのこと。目下は実施報告書の取りまとめに追われているそうだ。Sさんが「ちょっと話に出ているのは名古屋や福岡などですね。原点回帰で首都圏というのもあるかもしれません」と現実的な話をすれば、Nさんが「将来的には海外でやってみたいですね。今後、7空港で国際線の路線を広げていくことを考えると、海外、特にアジア圏で北海道の周遊をアピールするのもいいのではないかと思います」と展望を語る。北海道をより知ってもらうためのイベントなので、このイベントを通じて沢山の方々に北海道に来てもらい、新規路線につながるようなイベントにしていきたい。立ち上げから深く関わってきた2人のチームワークは抜群だ。イベント自体の目的は航空路線のPRや北海道の魅力発信による誘客促進だが、その一方で社内や自治体との連携を深める機会にもなっている。「10市町の皆さんとHAPの社員が、同じ会場で一つの目的に向かって力を合わせる、そこにとても大きな意味があると思います」とNさんが語るように、HL祭はこれからもさまざまな展開を見せていくことだろう。
